災害時の被害を軽減するためには、診療所周辺で想定される“災害の危険性”を知る ことが最初の一歩であり、情報を得るための手段として「ハザードマップ」がある。 福岡市のハザードマップは、ホームページ「福岡市防災マップ」で公開されており、 @洪水浸水、A土砂災害、B地震、C津波、D高潮の災害種別毎に確認ができる。 大雨による災害発生の可能性が高い時にはアクセスが集中し、通信が困難な状況も 考えられるため、あらかじめ、近隣の災害発生の予測範囲や被害程度、避難場所等を 把握しておきたい。 |
![]() 福岡市防災マップ ( https://webmap.city.fukuoka.lg.jp/bousai/ ) |
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災害時にいかに早く診療体制を立て直すのか、対策の一環としての「BCP」策定は非常に有効である。 厚生労働省が昨年7月に公表した「病院の業務継続計画(BCP)策定状況調査の結果」では、BCP策定が義務付けられている災害拠点病院全736病院のうち、732病院(平成31年4月1日時点)が策定を完了(99.4%)したことが報告されたが、病院全体の策定率は25.0%(1,826病院)に留まっている。診療所にはBCP策定の義務がないため、さらに低い策定率が推測される。 診療所でBCPを策定する場合、開設場所(ビル内、自宅と併設など)や診療科目、入院患者の有無など開設状況は様々なため、想定される被害や優先業務等もそれぞれに異なる。ここでは水害対策のBCPを策定する前に“自院の現状と防災対策状況”を把握するため、参考までに自己診断チェックリストを作成した。診療の継続にはスタッフを確保することをまず念頭に置き、各診療所における浸水リスクと備えの把握にご活用いただきたい。 (BCP策定のポイントや大まかな手順は当レポートNo.226(以下URL)を参照) https://city.fukuoka.med.or.jp/jouhousitsu/report226.html |
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水害は雨が降り出してから被災するまでの時間があることが地震災害との違いで、この“時間”を防災対策に活用できる場合もある。 水害対策として考えられる具体案について以下のようにまとめた。 |
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福岡県内で発生した過去の主な水害は次のとおりである。 福岡市の中心部には、地下街や地下鉄をはじめとする地下空間が広がり、市街部が浸水した場合、地下空間にも水が流れ込み、被害が拡大する「都市型水害」が起こることが指摘されていた。平成11年6月の水害では、市内の御笠川が氾濫、地盤の低い博多駅周辺が浸水し、地下街から逃げ遅れた方が犠牲となった。この災害を受け、市では雨水排水施設の整備を進め、現在では市内の浸水安全度は大幅に向上している。 |
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医療情報室の目
★BCP策定の第一歩を踏み出すために
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