● TRAb定量/ECLIA(TSHレセプター抗体定量<第3世代>)
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TSHレセプター抗体は、甲状腺の濾胞細胞膜にあるTSHレセプターに対する自己抗体のことで、TSH Receptor Antibody の頭文字をとって、TRAbと呼ばれています。
TRAbは、甲状腺細胞膜上にあるTSHレセプターに結合し、TSHと同様に細胞内のサイクリックAMP(cAMP)を増加させ、甲状腺ホルモンの合成を促進しますが、ネガティブフィードバックによるコントロールを受けないことから、バセドウ病の原因と考えられています。
そのため、TRAbの測定はバセドウ病の鑑別診断および治療経過観察に有用であると言われています。
本検査は、抗TSHレセプターヒトモノクロナール抗体(M22)を使用した第3世代のTRAb検査であり、感度・特異性・安定性の向上が期待されます。
TRAb定量/ECLIA(TSHレセプター抗体定量<第3世代>)の特徴 |
(1) |
抗TSHレセプターヒトモノクロナール抗体(M22)を使用した第3世代TRAb測定法であり、
より高感度にTRAbを測定できます。 |
(2) |
標識TSHを用いない測定法のため、抗TSH自己抗体の影響を受けません。 |
(3) |
WHO標準品(90/672)を用いた定量法で、TSHレセプター抗体を国際単位(IU/l)で
表示します。 |
(4) |
日常臨床における未治療バセドウ病診断のためのカットオフ値として、2.0(IU/l)が
推奨されます。 |
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【参考文献】 吉村 弘 他:医学と薬学 59 (6):1111〜1120,2008