■ω‐5グリアジン |
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ω‐5グリアジンは、小麦の不溶性分画に含まれるタンパク質の一つです。
ω‐5グリアジン特異的IgEの臨床的特異度は73%で、臨床的感度は84%です。
また、原因となる食品の摂取後に運動負荷が加わることで症状を発現するFDEIA(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)の一つであるWDEIA(小麦依存性運動誘発アナフィラキシー)に対する臨床的特異度は68%(グルテン44%)、臨床的感度は80%(小麦48%、グルテン56%)であり、従来検査の臨床性能を大きく改善することが報告されています。既存の小麦に加え、ω‐5グリアジンを測定することで、小麦アレルギーの診断精度の向上が期待されます。
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■カシューナッツ |
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カシューナッツは、炒ってナッツとして食用にする他、中華料理、パン、お菓子(ケーキ、クッキー、チョコレート等)、サラダのトッピング等に使用されています。
カシューナッツによるアレルギー症状は、舌のしびれ、喉の違和感、嘔吐等の口腔アレルギー症候群のみならず、アナフィラキシーショック等の重篤な反応を示すことが知られています。
平成20年度の厚生労働科学研究で、カシューナッツは食物アレルギーの原因食物としてクルミとともに上位20位内に、また、ショックの原因としてもアーモンド・クルミと同じ11位に報告されています。
ナッツ類は少量でアレルギー反応を引き起こすため厳重な管理が必要とされており、他のナッツ類との相関性が比較的低いため、それぞれについて確認することが重要です。
既存の特異的IgEのナッツ類(クルミ、ハシバミ(ヘーゼルナッツ)、アーモンド等)とともに、より幅広くナッツ類によるアレルギー患者の原因検索が可能になります。
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■マラセチア(属) |
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マラセチアはヒトおよび動物の皮膚などに常在する真菌の一つで、アトピー性皮膚炎患者から高率に検出されており、アトピー性皮膚炎の増悪因子と考えられています。
本検査の試薬には、Malassezia sympodialis(ピティロスポリウム)、M.restricta、M.globosaの3種のマラセチア属の抗原が含まれており、既存のピティロスポリウムに比べ特異的IgEの検出能向上が期待されています。
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