○「医療広告ガイドライン」と「医療機関ホームページガイドライン」 医療は、人の生命・身体に直接関わる極めて専門性の高いサービスであるため、「医療広告ガイドライン」によって、医療機関等が提供する 広告を厳格に規定している。一方、医療機関等が開設する「ウェブサイト」については、医療広告とは見なされず、別途、「医療機関ホーム ページガイドライン」においてルールが定められているが、これは、今回の医療広告をめぐる法改正により廃止されることとなっている。 |
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○ウェブサイトやメールマガジン等も規制の対象に 医療広告とは、@誘引性、A特定性、B認知性の3要件を満たすものとして定義されているが、ウェブサイトに関しては、「自らサイトを探す」という能動的な行動が伴い「認知性」の要件が当てはまらないため「広告」としては扱われていない。 しかし昨今、ウェブサイトの虚偽・誇大表現等による患者トラブル等が多発していることなどから、今回の改正で、「認知性」の要件が外され、ウェブサイト等も規制の対象に加えられることとなった。(右図) <新たな規制対象として加えられるもの> 「ウェブサイト」、「メールマガジン」 「患者等からの申し込みによる詳細なパンフレット」など |
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○「広告可能事項」の限定解除 当初、ウェブサイト等も現行の「医療広告」のような厳格な扱いにするとの議論があったが、そのような措置にした場合、治療に必要な情報までもが遮断され、患者の意思決定が阻害されてしまう。そのため、患者が自ら情報を入手するウェブサイト等の情報については、医療機関の問合せ先を明確にしておくなど一定の要件を満たしている場合は、「広告可能事項」の限定を解除できることとされている。 |
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○「客観的事実」が証明できない事項の取扱いについて 例えば、国内未承認の治療薬の効果など「客観的事実」が証明できない事項については、広告禁止事項には規定しない(=省令に規定しない)が、患者の受診を不当にあおるものは、虚偽・誇大に該当するものであることをガイドラインで示す。 ○患者体験談、術前術後(ビフォーアフター)写真 著しい誤認を生じさせることにより、患者の適切な医療の選択を阻害するおそれがあるため、誘引性があるものは原則として広告禁止。ただし、写真やイラストのみをならべ説明が不十分な場合なものは禁止する一方、術前術後の写真に「詳細な説明を加えたもの」は禁止しない。 ○比較優良の考え方の明確化 「日本一」などの最上級を意味する表現は、引き続き禁止するが、それ以外の比較優良表現については、必ずしも客観的な事実の記載を妨げるものではないことを明確化する。ただし、その場合は、求められれば裏付けとなる根拠を示し、客観的に実証できること。 |
昨年8月から、医療機関ウェブサイトの虚偽・誇大広告等の取り締まりに向けて、インターネット上でパトロールが行われている。このネット・パトロールは、厚生労働省から委託を受けた日本消費者協会が、不適切な表示や表現を掲載している医療機関等のウェブサイトを常時監視するものであるが、一般からの通報も受け付けており、事業の開始から約1ヵ月間で、279件の不適切と思われる事例が把握されている。問題があった医療機関には、自治体等と連携し個別に改善を求めることとなっているが、改正法の施行後は監視体制が強化される可能性も否めないため、早急に、新省令・新ガイドラインに沿った対応を進めておく必要があるだろう。 なお、現在、ネットパトロールの事務局になりすました迷惑メールや問い合わせが、医療機関に送られている事例が判明しており、同事務局や厚生労働省、日本消費者協会が、直接、医療機関にメールやメッセージを送ることはないとして注意を呼びかけている。 |
医療情報室の目
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