TPP参加により及ぼされると考えられる影響 |
メリット |
デメリット |
・ルール形成への参加
早期参加によりアジア太平洋地域におけるルール作りに参加できる。
・アメリカとの関係強化
アメリカとの関係強化が図られる。 ひいては対中国、対EU関係における我が国の立場強化にもつながる。
・韓国のFTA戦略に対抗
韓国に比べ貿易総額に占めるFTA締結国との貿易額比率が低いなど出遅れているとされるFTA戦略の巻き返しが図れる。
・国内改革の推進
遅々として進まない農業改革など国内改革を進める契機となる。
・日本経済の活性化
関税撤廃により輸出入が活発となる。輸入品が安く買えることによる消費の促進や輸出の拡大などにより経済が活性化する。 |
・食糧自給率の低下
安い輸入品に押され国内農産物の消費率が低下する。農業人口が減り、自給率の低下に繋がる。
・失業者の増加
海外より低賃金の労働力が流入し、国内労働者の失業率が増大する。
・デフレの悪化
輸入品との価格競争により物価が下落、デフレがより一層進む恐れがある。
・アメリカによる政治的圧力
牛肉の輸入条件の緩和や郵政民営化の見直しなど、外国企業が競争上不利になる規制の撤廃を求めてくる。
・公共事業への外国企業の参入
地方自治体の公共事業に外国企業が参入する恐れがあり、地元の中小企業の倒産・雇用縮小に繋がる。 |
|
|
マハティール・モハマド (1925〜)
マハティールはマレーシアの政治家で22年間の長期に亘りマレーシアの首相を務めた医師です。1953年マラヤ大学(現シンガポール大学)医学部卒業後、眼科医として医療に従事する傍ら、在学中から関心のあった政治活動へも取り組んでいました。64年に下院議員となり政界に進出したマハティールは、一度は時の首相との対立などもあり政界を去りますが、72年に政界復帰を果たすと74年教育相、76年には副首相兼貿易相となり、81年7月にマレーシア第4代首相に就任しました。
政策はアジア諸国の連帯を軸としており、日本や韓国に見られる勤勉さや忠誠心、個人の利益より集団の利益を重視する姿勢を見習い、個人主義に価値観を見いだす西欧的な考え方を見直すべきだとする「ルック・イースト政策」や東アジア経済会議構想(EAEC)などを提唱しました。
親日家として知られるマハティールですが現実的な目線を持つことでも知られ、近年の日本の経済状況を鑑み、「日本を反面教師とし、誤った政策・失敗から我々がなすべきことを学ぶべきだ」との考え方を示しています。 |
|