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「ねじれ国会」の状況により、今後、政権与党にとって厳しい国会運営
政権与党民主党の敗北により、参議院において与党が過半数を割り込み、衆参両院で第1党の政党が異なる「ねじれ国会」の状態に陥った(表-1参照)。平成19年(2007年)の自公政権期の「ねじれ国会」では、衆議院で3分の2以上の議席を確保していた為、参議院で否決された法案を、衆議院で再度可決させることが可能であった。しかし、現与党は衆議院で3分の2以上の議席がない為、予算案を除いて、野党の協力が得られなければ、法案を成立させることは不可能で、参議院は解散がない為、改選までの3年間は、政権与党にとって厳しい国会運営を強いられることになる。
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与野党が協調して政策を実現を目指し、「ねじれ」解消の必要性
参議院で過半数の議席を確保する為、連立政権の形態を取るのか、法案・政策毎に野党に協力を求めるパーシャル連合(部分連合)を模索するのか、政権与党の「ねじれ」解消の動きが今後の政局を左右する。 |
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医師・薬剤師等の医療従事者や元厚生労働省幹部、患者団体等の医療関係者を含めると、今回の選挙には37名が立候補し、当選はわずか11名という結果に終わった。 |
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日本医師連盟が「推薦」した安藤高夫氏(民主党:新人)、都道府県医連の推薦を容認する「支援」とした西島英利氏(自民党:現職)、清水鴻一郎氏(みんなの党:新人)の医師3候補はいずれも落選した。一方、日本歯科医師連盟は西村正美氏(民主党:新人)、日本薬剤師連盟は藤井基之氏(自民党:元参議院議員)、日本看護連盟は階恵美子氏(自民党:新人)を擁立し、いずれも当選を果たした。 |
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組織内候補が当選した団体でも得票数を落としたところがあり、日本医師連盟も、武見敬三氏に一本化した平成19年(2007年)の選挙の際と比較して、今回の3候補が獲得した票は1万6,000票余り減少しており、職能団体の集票力低下傾向が加速している。(表-2及び次ページ表-3参照) |
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日本医師連盟は、候補者の一本化が成らず、異例の3名候補とした為、著しく求心力を欠き、会員のまとまりと潜在的な力を引き出すことが出来なかった。また、医師の政治離れがますます進み、早晩、日本医師連盟は、政界の足場を完全に失ってしまうとの懸念が深まっている。 |
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その一方、日本看護連盟は前回選挙と比較して30%増の21万票を獲得した。選挙前に連盟が候補者を擁立する方針に対し、日本看護協会が不支持を表明する混乱もあったが、政治の構造が変わった時に激しく動くと組織の信 |