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PT(Physical Therapist:理学療法士)、OT(OccupationalTherapist:作業療法士)、柔道整復師は、かつて養成施設や
定員が少なかったが、規制緩和による養成施設の新設ラッシュに伴い、現在は定員割れする学校も存在し、その数は就業が困難である程にまで過剰となっている。(※表-2参照)ここ10年でPT・OTは2.3倍の約6.2万人、柔道整復師は1.7倍の約5万人と急激に増加している。この状況は、専門職としての質の低下が問題視されており、医師の養成数増についても同様の問題に陥ることが考えられる。また、柔道整復師が開設する整骨院での施術には健康保険が適用されるが、本来保険適用外の肩こり・腰痛・筋肉痛等による施術が保険適用されるケースもあり、近年の整骨院の乱立とともに医療費増大の一因となっている。 |
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医師を目指す方法として、大学卒業者(見込者)に受験資格がある学士入学制度がある。この制度には年齢制限がなく、文系大学出身者も受験可能で、合格すれば大学2・3年次からの編入学となり、4年ないし4年半で卒業でき、医師国家試験の受験資格が与えられる。現在は、28国立大学・7私立大学で採用されており、合わせて270名程度の定員が確保されている。近年、医学部定員増に対応する為の策として、医学部新設・メディカルスクール設置の議論が活発になっているが、学士入学制度の更なる普及・拡大も考慮の余地があるのではないだろうか。 |
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我が国におけるメディカルスクールの教育モデルとして、学士を対象に4年間で養成するアメリカ型(専門職大学院型)や、他大学・他学部で2年の教養課程を修了した者を対象に4年間で養成するシステム等が関係有識者により検討されているが、これを実現するには多くの課題があり、十分な議論が必要である。 |
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医師数増・医学部定員増に併せ、今いる医師数で医師不足に対応可能な施策を進めて行かなければならない。特に最近では女性医師が増加傾向にあり、40歳以下の医師の約3割を占めている。(※表-3参照)しかし、出産・子育て等による離職で若年女性の就業率は低い。また、今後は高齢医師も増加することが予想され、医療情勢に応じた勤務環境の整備に取り組まなければならない。 |
■ 新たな勤務形態の整備
交代勤務制の導入、院内保育所の設置等による医師
(女性・高齢)の復職支援・離職防止 etc… |
■ 勤務環境の改善
メディカルクラークの活用等によるコメディカルとのチー
ム医療の実践、過酷な勤務や訴訟リスクの要因を取り除く
ことによる診療科の偏在・バランスの改善 etc… |
■ 地域で支える医療の推進
情報の共有化や円滑なネットワークの構築による地域連携
の推進、地域の拠点病院への産科・小児科等の集約化によ
る医療機能の再編、救急医療の充実、軽症患者による夜間
救急外来受診の抑制・救急車の適正利用についての啓発・
普及 etc… |