医療情報室レポート
 

bP05  
 

2007年 2月23日
福岡市医師会医療情報室  
TEL852-1501・FAX852-1510 

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特集:福岡市医師会が取り組む事業

 福岡市医師会は医道の昂揚、医学、医術の発達並 びに公衆衛生の向上を図り、あわせて会員の福祉を増進することを目的とする団体であり、本年2月に創立100周年を迎えた。
 本会創設の源流を遡ると明治13年(1880)「福陵医会」に始まり、明治23年(1890)の「玄洋医会」に辿り着く。 明治40年(1907)に「福岡市医師会」として正式に発足、太平洋戦争中に一時中断するも、終戦後、昭和22年(1947)に 「社団法人 福岡市医師会」として新生の産声を上げてから、今日までの50年間、学術の振興、保健・医療・福祉の 向上に努め、各種の事業を展開してきた。
現在は、成人病センター(昭和58年[1983]開設)、臨床検査センター(昭和35年[1960]開設)、看護専門学校(昭和27年[1952]開設)、 訪問看護ステーション(平成6年[1994]開設)の四つの現業部門を展開し、更に急患診療センターや地域包括支援センター等の各種事業 を行っている。
 今回は現在、福岡市医師会が取り組む主な事業や今後の展望等について特集した。
  

 
地域医療に関わる取り組み

 
部門
名称
事業内容
共同
利用
施設
成人病センター 外来紹介型・開放型病院として 会員医療機関との密接な連携を図りながら継続性のある医療の提供を目指し、地域医療の中核施設として地域医療への貢献に努めている。
臨床検査センター 「精度管理第一主義」をモットーに、 最新鋭の検査機器による正確な検査データの提供、医療機関の診療支援、地域医療への貢献に努めている。
訪問看護ステーション 各区7箇所で開設。会員医療機関との連携を保ちながら 訪問看護・リハビリサービスを提供し、在宅医療の支援を行っている。
ケアプランセンター 各訪問看護ステーションに併設。居宅サービス計画(ケアプラン) の作成、介護保険サービスの利用希望者の相談等実施。
看護専門学校 看護高等課程准看護師科看護専門課程看護師科 (看護師2年課程夜間定時制)の2課程を有し、相互間の連携を密にした教育を行っている。
地域
医療

福祉
地域包括支援センター 高齢者の生活の総合支援を目的に、平成18年4月より市内28箇所中14箇所を運営。 委託
介護保険 介護認定審査会への審査委員(医師)推薦 委託
急患診療 夜間及び休日等医療機関の診療時間外 での急患診療に対応するため、行政との連携による福岡市急患診療センター及び各急患診療所での診療を展開。
 診療日:平日夜間・土曜夜間・日曜・祝日・盆・年末年始
委託
大規模災害対策 福岡県西方沖地震を教訓に、災害発生時の連携に「モバイル一斉連絡システム」を導入、 組織的な医療救護活動についての「大規模災害対策マニュアル」を作成・配布しており、災害時には福岡市災害対策本部との連携の下、 医師派遣等医療救護活動のマネジメントを実施。
診療に関する相談窓口 一般市民向けに病気や医療に関する 相談や日常診療に関する相談窓口を開設。
 相談日時:月・水・金曜日の15時〜17時(休日・お盆・年末年始を除く)
 専用TEL:852-1539
地域
保健
産業保健 労働者数50人未満の事業場を対象とした産業保健 サービス(健康指導、健康相談等)を提供する 「福岡東地域産業保健センター」を開設。 委託
成人保健 高齢社会に向けた地域住民の生活習慣病予防と 健康管理を目的とした基本健康診査(ミニドック)や、肝炎ウィルス検査、予防接種、各種がん検診を実施。 委託
学校保健 学校検診(学校心臓検診、学校腎臓・糖尿検診)、 児童・生徒の精神保健に対する取り組み。(福岡市学校精神保健協議会) 委託
福岡市内公立学校の学校医の推薦
母子・乳幼児保健 妊婦健診、10ヶ月健診、3歳児精密検診(視聴覚) 委託
公費による乳幼児健診を 補う為、私費により1ヶ月、7ヶ月、12ヶ月児健診事業を実施。保護者の仕事の都合等により、病気回復期の乳幼児を一時的に預かる 「乳幼児健康支援デイサービス」を実施。
ニコニコペース
健康教室
一般市民を対象に身近な健康運動で あるウォーキングを通して、健康保持の方法を屋外で楽しみながら身につけてもらう「ニコニコペース健康教室」を開催。血圧・脈拍測定、 ストレッチ運動、ウォーキング(公園外周を1〜2周)、医師による健康相談を実施。
 開催日時:毎月第3土曜日 14時〜 場所:大濠公園
ふくおか市民
糖尿病教室
一般市民を対象に、糖尿病に関する 理解の促進と知識の普及啓発を目的として、毎年11月の第1日曜日に開催。
 (H18年会場:福岡市健康づくりセンターあいれふ)
広報 はーとふるふくおか 市民向け広報紙として市民健康情報「はーとふるふくおか」 を年4回発行。市民に分かりやすく正しい健康知識を提供すると共に医師会への理解を深める多彩な記事で構成。
一般公開用
ホームページ
福岡市医師会の活動を一般市民向けに分かり易く紹介する と共に、日頃の生活の中で活用出来るような医療情報を掲載。掲載例として、福岡市内の医療機関を地図上から検索できる医療情報マップ、 予防接種・各種検診を行う医療機関が一目でわかる予防接種・検診案内、市医師会の立場や在り方を市民に伝える意見広告等。

 
会員の各種診療支援

 
部門 事業内容
総務
庶 務
会員顕彰・常磐会等による病診連携、労務関係(総務課)
麻薬取り扱い、緊急用駐車許可標章、医療廃棄物、病院・診療所立入検査(地域医療課)
広 報 最新の保険情報を始めとする各種医療情報提供
 福岡市医師会週報、福岡市医報、メディカルトピックニュース、
 「はーとふるふくおか」(総務課)、
 医療情報室レポート(地域医療課)、
 一般公開HP・会員専用HP、福岡市医師会ネットワークシステム(SeFu)、
 地域医療情報センターだより(電算課)
会員福祉 医事調停・防犯 医事紛争対策として 医事調停委員会による解決、日本医師会医師賠償責任保険・日本医師会医師賠償責任特約保険の取り扱い(経理課)。防犯対策として 福岡市医師会防犯連絡協議会(総務課)。
医 業 経 営 固定資産税の減免 申請、帳簿等販売、銀行融資・診療報酬振込銀行、 医業経営及び税務相談(経理課)
医療機関求人情報(求人情報システム)の提供(電算課)、永年勤続表彰(総務課)
  会員健康診査、訃報連絡と広報、文化祭(総務課)
保険 医 療 保 険 保険診療や審査・請求 に関する相談(保険相談窓口)や指導、保険受付、国民健康保険療養費一部負担金未収額の請求(医務課)、日医標準レセプト(ORCA)の推進(電算課)。
介 護 保 険 主治医意見書作成に関する相談、介護保険主治医意見書研修会を実施。(在宅医療課)
地域
医療

福祉
地 域 ケ ア 地域包括支援センターによる診療支援(在宅医療課)
救 急 医 療 福岡市急患診療センターによる診療支援(医務課)
大規模災害対策として、モバイル一斉連絡システムの登録 (電算課)や、大規模災害マニュアルの配布(医務課)。
認定資格取得 母体保護法による指定(経理課)、日医認定産業医(医務課)、日医認定健康スポーツ医(地域医療課)の資格取得
学術 生 涯 教 育 日医生涯教育制度による学術講演会・講習会等の受講、生涯教育履修単位申告(地域医療課)
地域
保健
成人保健 老人保健 小児・学校保健 母子保健 予防接種 等 各種検診事業(医務課)
共同
利用
施設
成人病センター 臨床検査センター 訪問看護ステーション ケアプランセンター 看護専門学校 による診療支援
 
( )内は本会での担当部署。各事業及びその他の事業については本会担当部署又は「会員の栞」をご参照下さい。
    総 務 課:852-1502  経 理 課:852-1503  電 算 課:852-1505  業務課(臨床検査センター):852-1506
    地域医療課:852-1501  医 務 課:852-1504  在宅医療課:852-1512

 
強化予定の事業
 
広報活動の強化
・・・ 広報活動を強化することで一般市民へ医師会の信頼と理解を図る。市民と共にある開かれた医師会を目指す。

組織力の強化
・・・ 医師会入会を促進し、組織力の強化を図る。
     全国の医師数は270,371人(H16年12月31日)、日医会員総数は164,110人(H18年12月1日)で加入率は約60%
 福岡市の医師数は4,700人(H16年12月31日)、市医会員数は2,054人(H18年12月31日)で加入率は約44%

第5次医療法改正
・・・ 平成20年開始予定の新地域医療計画に対応する為、会員を中心に地域医療連携ネットワークを確立。
同時に既に進められている療養病床の再編への対応、在宅医療会員の診療支援を図る。

女性医師支援
・・・ 医師の女性比率は20年前に比べ倍増し、また、社会的にも女性医師が求められていることから、 本会ではH18年度より「女性医師支援プロジェクト」を発足し、勤務環境整備等の検討を重ねている。

他業種との連携
・・・ 成年後見制度、児童虐待問題、医事紛争等、 医療と法律が相互補完的に対応する事項について、福岡県弁護士会等の関係団体と連携を図り、それぞれの専門的知識や情報を交換する ことで、より広範な市民への公的サービスの充実を図る。


<医療情報室の目>
★公益法人としての役割
 「公益法人」は民法34条に「慈善・学術・技芸その他の公益事業を目的とする社団や財団」と規定されており、医師会はこの「公益法人」 に該当する団体である。本会でも、現業部門(成人病センター・臨床検査センター・訪問看護ステーションなど)を始め、各種検診や学校保健、市民への 健康教育活動など様々な公益事業を展開しているが、「医師会」がそのような公益活動を行っている事実は、驚くほど一般社会に認識され ていない。
 日本医師会では広報戦略を重視し、昨年10月から従来の医師会イメージを払拭するようなテレビCMの放映を始めたが、情報過多の中 では、国民に強力にアピールするまでに至らない憾みがある。事前に行われた「日医に対するイメージ調査」では、国民のなんと八割が 日本医師会に良いイメージを持っていないとの結果が出ており、「既得権益を守る圧力団体」との固定化されたマイナスイメージが、 日本医師会のみならず地域医師会に対しても持たれている。医師バッシングあるいはアンチ医師会の風潮は、一部の無責任な報道に原因 があると考えられるが、医師会が効果的な対策を講じてこなかったことも、そうした風潮を助長する一因となっている。医師会が「公益 法人」として市民の健康に直結した事業を日々粛々と行っている事を分かり易く、また、声を大にして市民に訴えていかなければならない。

 ※ご質問や何かお知りになりたい情報(テーマ)がありましたら医療情報室までお知らせ下さい。
   (事務局担当 立石 TEL852-1501 FAX852-1510)
 

担当理事 原  祐 一(広報担当)・原 村 耕 治(地域ケア担当)


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