医療情報室レポート
 

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2003年12月25日  
福岡市医師会医療情報室  
TEL852-1501・FAX852-1510 

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特集:平成15年をふりかえって

本年3月、イラク戦争に突入、今月にはサダムフセイン前イラク大統領が拘束されるというニュースが世界中に伝わるも、治安は依然として不安定な中、わが国でも自衛隊を派遣することが決定した。
国内では、長引く不況に明るい材料が見い出せない中、医療界においても4月に健保本人3割負担や介護報酬引き下げの実施等、昨年に引き続き、“国民負担増・医療機関負担増”の改革が行われた。
さらに、春から初夏にかけてはアジアを中心に重症急性呼吸器症候群(SARS)が世界的な拡大を見せた。幸いにもわが国では感染者が発生しなかったが、改めて危機管理対策についての対応を迫られることとなった。
今年も1年間様々な出来事があったが、年末恒例として“平成15年をふりかえって”みた。
  

医師会関係 厚生行政関係 主な出来事
1月
日医坪井会長、被用者保険の3割負担凍結など政策の大転換を強く求める姿勢表明、全国で反対運動展開
市医検査センター自動搬送システム(化学)更新
2002年人口動態推計の年間推計を発表、出生数(115万6000人)は過去最低
全国でインフルエンザ警報・注意報
構造改革特区第2次提案公表
東大病院で天皇陛下が前立腺がん手術・成功
元朝鮮総連幹部で北朝鮮統一戦線部工作員が貨客船「万景峰92」を通じ対韓国工作をしていたことが判明
北朝鮮が核拡散防止条約から脱退
ブッシュ米大統領、イラクの武装解除と攻撃へ強い決意表明
2月
日医、緊急医業経営調査発表、個人立診療所の医業収入9.7%減、医業利益18.8%減
福岡市で三師会合同3割負担実施凍結運動
政府構造改革特区推進本部、自由診療に限定して株式会社の医療参入容認
政府は公的年金の物価スライド制を復活適用し支給引き下げるための法案を閣議決定
青森県で第5回冬季アジア競技大会開催
山陽新幹線の運転士が居眠り運転、睡眠時無呼吸症候群が原因
スペースシャトル「コロンビア」が着陸直前に空中分解し炎上
韓国・大邱市で地下鉄車内放火・火災
北朝鮮日本海に地対艦ミサイル発射
3月
市医成人病センター「市民医療オープンセミナー」を開催し、心臓カテーテル検査・治療を天神エルガーラにてライブデモ中継
日医代議員会で、禁煙日医宣言を採択
SARS管理指針、院内感染対策通知
厚労省、社保審に介護保険部会設置
医療制度改革「基本方針」を閣議決定、前期高齢者は8割給付で統一へ
一般会計総額81兆7890億円の03年度予算案 成立、厚労省分は19兆3787億円
東京航空交通管制部のコンピュータシステムダウン、全空港で約20分離陸ストップ
府中、名古屋など4刑務所で02年までの10年間に260人が死亡、内100人変死
アジア地域を中心にSARS拡大、WHO注意報
米英軍によるイラク攻撃開始、仏独ロ反発
4月
第26回日本医学会総会福岡市にて開催
日医、JMA PRESS NETWORK(JPN)設立
日医医療政策会議で「混合診療は給付縮小、患者負担増につながる」とする見解発表
市医、ふくおか医療フォーラムをNTT夢天神ホールにて開催(映画ジョンQ上映)
健保本人3割負担開始
国立・大学病院に重大事故の報告義務付け
中医協、薬価算定ルール見直し議論開始
構造改革特区第1弾認定
  神戸市「先進医療産業特区」など57件
医師国家試験合格者発表、合格者7721人、合格率90.3%、女子の割合33.8%
SARS対策で中国等への渡航延期を勧める情報、WHOが新種のコロナウイルス「SARSウイルス」と命名
防衛庁が隊員募集のため、多くの自治体に住民情報提供を依頼していたことが判明
日米英仏独中6カ国チームによりヒトゲノム配列解読
5月
日医ニュース創刊1000号
市医、福岡市合同SARS対策研修会開催
市医、登録医療機関におけるミニドック検診に肝炎ウイルス検査追加
厚労省、医療保険部会設置、保険者再編統合、高齢者医療制度創設へ
中医協、再診料逓減制廃止を答申
健康増進法施行
個人情報保護法成立
SARS感染の台湾人医師が近畿旅行、国内への波紋広がるも感染者無し
警察庁は「パナウェーブ研究所」を名乗る白装束団体の違法摘発を指示
福岡市で小5児童がガソリンをかけられた上、火を付けられ重傷
ブッシュ米大統領イラク戦争の戦闘終結宣言
ウクライナ旅客機が着陸失敗、墜落
6月
日医、第3次レセプト調査、3割負担実施で被用者本人総点数大幅減
市医定時代議員会で禁煙宣言採択
市医検査センターDoctor's Site開始
厚労省、特区で株式会社が提供できる高度先進医療の要件公表
構造改革特区第3次提案募集
骨太の方針第3弾閣議決定
新医師臨床研修制度、施設基準公表
02年度児童虐待件数24195件、過去最高
有事関連法成立、イラク復興支援特別措置法案閣議決定
政府、りそなグループに1兆9600億円の公的資金投入決定
博多港から福岡市東区の一家4人の他殺体
7月
日医「医療のグランドデザイン2017年版」発表
日医、新医師臨床研修制度に向け指導医ワークショップ開催
第35回九州地区医師会立共同利用施設連絡協議会が佐賀市で開催
医療政策フォーラム夏期研修会 シーホークホテルで開催(講師:坪井栄孝日医会長)
九州各地で豪雨被害、市医では被害の会員に見舞金
「2001年度国民医療費の概況」発表、国民医療費は31兆3234億円で前年比3.2%増
2002年度政管健保の収支決算公表、過去最大6169億円赤字
厚労省、SARS指定外来医療機関に財政支援
臨床研修マッチング協議会発足
02年平均寿命は男性78.32歳、女性85.23歳で、男女とも過去最高
WHO世界全域でSARS制圧宣言
日赤の肝炎ウィルス汚染の恐れの輸血用製剤判明、対象者検査
長崎市男児誘拐殺人事件、長崎県警は中学1年少年を補導
社民党の辻元清美議員と党首元政策秘書ら4人を秘書給与詐欺容疑で逮捕
宮城県北部で震度6以上の地震
世界水泳選手権で北島康介個人2種目制覇
8月
第34回中四九地区医師会看護学校協議会が佐世保市で開催
03年版厚生労働白書「世代間の新たな支え合いの仕組み」提言
2004年予算概算要求、前年度予算比4.3%増20兆2154億円を自民党厚生労働部会に提出
ヤミ金融事件被害者数過去最高
北海道大医学部医師277人「名義貸し」判明
全国的に梅雨明けが遅れ冷夏、欧州では異常高温、仏で猛暑による死亡約3000人
米国北東部とカナダ南東部で大停電発生
バグダット国連駐イラク事務所本部で自爆テロ、国連事務総長特別代表ら24人死亡
火星6万年ぶり地球に大接近
9月
2003年世界医師会がヘルシンキで開催、「リビング・ウィルに関する声明」等採択
日本医師連盟、西島日医常任理事を参院推薦立候補者に推薦
日医、国民向け冊子「たばことがん」作成
日医、SARS対策3点セットを全国県・郡市医師会へ配布
第40回九州首市医師会連絡協議会が那覇市で開催
厚労省「診療情報の提供などに関する指針」策定
厚労省、病床届け出集計 一般・療養 7:3
自民党総裁選、小泉首相再選
中医協・薬価専門部会で薬価算定ルール見直し本格議論開始
100歳以上になる高齢者が初めて2万人突破
航空自衛隊那覇基地の隊員が自宅で爆死、自宅からロケット弾2発を発見
ブリジストン栃木工場から出火、大量の黒煙のため周辺住民一時避難
柔道世界選手権女子48kg級田村亮子6連覇
阪神タイガース18年ぶりリーグ優勝
名古屋市の運送会社に男が立てこもり、まいたガソリン引火・爆発、3人死亡
東京慈恵会医大青戸病院で腹腔鏡手術を受けた男性死亡の医療事故発覚、医師3人逮捕
10月
日医、02年度日医医業経営調査発表、法人病院を除く診療所・病院で軒並み悪化
日医坪井会長、次期会長選挙への不出馬表明
第42回十三大都市医師会連絡協議会が東京都で開催
市医、日医標準レセプトソフト実用試験の開始
衆院選に向け、主要各党が政権公約(マニフェスト)提示
社保審介護保険部会、介護保険制度見直し論点整理
厚労省、薬価制度改革の基本方針たたき台提示
介護事業者の指定取り消しが100件に
政府、イラク復興支援で05年からの3年間に円借款計35億ドルの供与決定、無償15億ドル含50億ドルの支援表明
プロ野球福岡ダイエー4勝3敗で阪神破り日本一
長寿世界一本郷かまとさん死去(116歳)
米調査団、イラクで大量破壊兵器を捜索したが発見できなかったと発表
中国瀋陽市で日本人誘拐、身代金要求されるも、中国人3人拘束・被害者無事保護
11月
九州首市医師会医連担当理事者会が福岡市で初会合
成人病センター40周年記念講演、西鉄グランドホテルで開催
衆議院選挙結果、自民単独過半数を割り込むも与党3党で安定多数確保、民主躍進、共産、社民両党は激減
小泉首相第88代首相に第2次小泉内閣発足
04年診療報酬改定について、財務省基本的考え方として5%程度引き下げ
坂口厚労相、自民党カトレア会が財務省診療報酬改定方針に反論
構造改革特区第3次提案募集
消費者金融武富士によるジャーナリストの電話盗聴疑惑で5人逮捕
熊本県アイレディース宮殿黒川温泉ホテルのハンセン病元患者の宿泊拒否判明
「おれおれ詐欺」被害総額約22億6000万円
H2Aロケット6号機打ち上げ失敗
ブッシュ米大統領がバグダッド電撃訪問
イラク・ティクリット近郊で日本人外交官2名テロの犠牲に
12月
日医、歯科医師会、薬剤師会と三師会合同で診療報酬引き上げ要望書を厚労相へ提出
福岡県医師会 新会館開設
市医、医療情報室レポートNo.1〜56までを纏めた小冊子発行
自民党カトレア会、幹事長・財務相に診療報酬削減反対の決議
厚労省「がん検診に関する検討会」初会合
厚労省、安全上問題ない医薬品を一般小売り販売
公的年金制度改革で厚生年金保険料率18.35%
中医協、次期診療報酬改定率 診療報酬0%薬価1.05%引き下げ
自衛隊、イラク派遣基本計画決定
SARS警戒、全国でインフルエンザワクチン不足
イラクにおけるテロ、韓国も初の犠牲者2名
アフガン米空爆、子供巻き添えに
フセイン元大統領イラク北部で拘束


<医療情報室の目>
平成15年は内外ともに多難な年であったが、医療界にとっては、政府による医療制度改革は始めに医療費削減ありきの財政的見地に立った改革論で、その方針は本年も変わることは無かった。
年末には中医協にて次期診療報酬改定率について決着がついた。最も懸念されていた診療報酬本体の改定率は0%で 引き下げは回避されたものの、薬価については1.05%下げられ、診療報酬全体では1.05%の引き下げとなった。
医療界にとっては引き続き厳しい状況が予想されるが、我々医療関係者が協力して日医を支えていきたいと考える。 今後も医療情報室レポートでは、注目される医療情報を会員の先生方に解りやすくお伝えしていきたいと考えております。来年も宜しくお願い致します。

 ※ご質問や何かお知りになりたい情報(テーマ)がありましたら医療情報室までお知らせ下さい。
   (事務局担当 立石 TEL852-1501 FAX852-1510)
 

担当理事 長 柄 均(広報担当)・江 頭 啓 介(地域医療担当)・入 江  尚(情報担当)


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