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特集:〜レセコンが変わる〜
日本医師会“ORCA”プロジェクト
日医が本年1月に公表した進化型オンラインレセプトコンピュータシステム「ORCA(仮称)」
(Online Receipt Computer Advantage)は、各医療機関のレセコンをオンライン型のネットワーク端末とする、今後の医療のIT化をレセコンの高機能化という切口で考えた日医の研究プロジェクトです。
(※1)オープンソースの(※2)OS(Operating System)の採用、点数改正時に最新の(※3)プログラムを無料で(※4)ダウンロードできるなどの低コスト化や、センターへのバックアップにより事故等におけるデータの損失を防ぐことも可能とされています。
更に、感染症情報や緊急安全性情報などの医療情報をリアルタイムに把握したり、将来の電子カルテシステムも視野に入れた構想となっています。
今回は、既に現在準試験運用が行われ2002年3月に本運用が予定されている“ORCA”の概略について特集します。
※詳細な内容をお知りになりたい方は日本医師会のORCAホームページ http://www.orca.med.or.jp/をご覧下さい。
※1.2.3.4.5.6は下記参照
☆ネットワークの活用
@コストダウン |
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現在のレセコン: |
導入時に高価なうえ診療報酬改定の度に高額なバージョンアップ(機能の拡張)費用と時間がかかる。 |
↓ |
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ORCAレセコン: |
市販のパソコンが利用でき、プログラムや点数マスタ(台帳)などが(※5)ネットワークセンターより無料でダウンロード可能。 |
Aデータのバックアップ
希望すればネットワークセンターに暗号化したデータを送信しバックアップを行うことが可能。
不慮の事故や災害時にもデータを安全に保管。
暗号化されたデータは医療機関独自の鍵がなければセンターの(※6)サーバ管理者でも内容が読めない仕組み。
☆事務処理のスピードアップ
@カード端末が利用可能
ICカードやデビットカード(キャッシュカード)の利用を想定した設計。
個人カード化される健康保険証の将来のIC化による情報の取り込みやデビットカード(キャッシュカード)による
即時決済処理機能を使用するなど事務処理の軽減を目指した仕様。
Aレセプトチェック
入力ミスや請求もれ、併用禁忌薬などのチェック機能。
※無床診療所用。入院部分については本年度機能追加を予定(200床以下での利用を想定)
2001年4−5月
準試験運用
(3地域×3施設) |
→
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2001年7−12月
本試験運用
(各都道府県×3施設)
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→
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2002年1−2月
準本運用
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→
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2002年3月〜
本運用
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・パソコン2台以上
(本体兼バックアップ機としても利用)
・プリンタ1台
・(※7)オプションでデビット決済端末(ICカードリーダ)
※パソコンに必要なスペック(性能)
(※8)CPU:500MHz
メモリ:256MB
ハードディスク:20GByte以上
(メモリの容量が少し多いが、概ね現在市場で売られているパソコンと同等)
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設置やメンテナンスについては、日医が募集(都道府県医師会が推薦)する協力業者を利用。
尚、医師自身がパソコンに詳しい場合は独自で設置・運用して可。
※都道府県独自の公費対応も協力業者により組み込み予定。
福岡県医師会「日医生涯教育講座」を福岡ブロック医師会の共催にて次のとおり開催します。多数ご出席下さい。
日 時 平成13年7月10日(火) 19時〜
場 所 シーホークホテル&リゾート
講 演 「日医総研の医療情報ネットワークへの取り組み」
−「開発コードネームORCA」とその周辺−
講 師 日医総研 研究部長 |
石 原 謙 先生 |
愛媛大学医学部附属病院医療情報部 教授 |
日医生涯教育講座 5単位
用語説明 |
※1 | オープンソース: | 技術を独占するよりも、多くのユーザーと共有することでその発展を目指す動きの1つ。ソースコード(原プログラム)の公開やソフトウェアの改変を認め自由な利用を促進しようとするもの。 |
※2 | OS: | パソコンを動かすための基本的なソフト。ウィンドウズ98、2000やマックOSなどが主流。 |
※3 | プログラム: | コンピュータに対する命令の集まり。コンピュータの処理手順を記述したもの。 |
※4 | ダウンロード: | インターネットやネットワークのホストコンピュータなどからデータを取り出す操作。 |
※5 | ネットワークセンター: | ネットワークは通信網。センターはその中心となるところ。 |
※6 | サーバ: | ネットワークの中心となるコンピュータ。サービスを提供する側、提供者。 |
※7 | オプション: | 選択肢。追加機能として選べるもの。 |
※8 | CPU: | Central Processing Unitの略。中央演算装置。コンピュータの中心部分でパソコン作業に必要なあらゆる計算処理を行う。 |
メモリ: | 文書データやプログラムデータを一時的に記憶する装置。容量が大きいほどパソコンの作業効率が上がる。 |
ハードディスク: | プログラムやデータを格納する記録装置。 |
例:作業を行う人(CPU)、作業する机(メモリ)、道具・材料が入った棚(ハードディスク) |
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<医療情報室の目> |
★ORCAに期待されること
現在、80%以上の医療機関にレセコンが導入されていますが、数百万と高額なうえレセプト作成のみの専用機としての使用に限られているものがほとんどです。また、点数改定の度に時間と費用を費やしています。ORCAはソフトウェア自体は無料であり、点数改定時も無料でダウンロードされるため、大幅なコストダウンが見込まれます。
また、ネットワークで各医療機関と日医が結ばれることにより、各種医療情報のリアルタイムな把握、将来の電子カルテシステムによる診療情報の共有、蓄積された客観的データに基づく日医からの医療政策の提言など、今後のIT化推進の基盤整備としても期待できます。
利用については会員の先生方の自由ですが、選択肢の一つとして期待できるものと考えます。
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※ご質問や何かお知りになりたい情報(テーマ)がありましたら医療情報室までお知らせ下さい。
(事務局担当 百冨 TEL852-1501 FAX852-1510)
担当理事 江 頭 啓 介・入 江 尚
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