「片頭痛」の対処法とは?
片頭痛は頭の片側または両側にズキンズキンと脈を打つ痛みがあり、吐き気、嘔吐、光音過敏を伴います。日本では約1000万人いるといわれています。男女とも10代から増え始め、50代以降になると、減少します。女性に多いのが特徴で、その数は男性の3・6倍というデータもあります。男女とも「働き盛り」の世代に多く発症するため、仕事や日常生活に影響が出ます。
片頭痛以外に緊張型頭痛と群発頭痛があり、これらを一次性頭痛といいます。一次性頭痛は命に危険を及ぼすことはありません。一方、くも膜下出血、脳腫瘍など危険な疾患に伴う頭痛があり、二次性頭痛といいます。これは見逃すと、患者さんの命に関わるため、MRIやCTなどの画像検査を即座に行います。
片頭痛は脳を包む膜の血管が拡張し、血管の周囲の三叉神経から、さまざまな物質が放出されて痛みが発生します。片頭痛を誘発する因子としてストレス、睡眠時間(寝すぎと寝不足)、空腹、天候の変化、飲酒などがあります。片頭痛が女性に多いのは、月経により女性ホルモンの量が変動することが関係しているといわれています。
治療法ですが、まずは頭痛の症状を正確に把握するため、患者さんに「頭痛ダイアリー(日記)」をつけてもらいます。頭痛の症状、持続時間、痛みの強さ、薬剤の服用状況、睡眠時間などを書いてもらい、それを見ながら診察します。
片頭痛発作時にはトリプタンという血管収縮の薬を処方します。最新の予防療法としてCGRP抗体関連薬があり
ます。月に1回、注射する薬で、片頭痛日数を減らすことが期待できます。
片頭痛の対処法は①規則正しい生活を心がける②自分に適正な睡眠時間を見つける③ストレスをうまく発散する④適度な運動⑤無理なダイエットを辞めて、3度の食事をきちんと取る⑥まぶしい光を避けてサングラスをかけて過ごすーなどがあります。
年齢を重ねるうちに、片頭痛は治まってくることが多いですが、耐え忍ぶ必要はありません。大切な今を快適に過ごすため、頭痛外来がある病院や医院などで早めの治療を受けてください。
医)髙橋脳神経外科 髙橋 禎彦 先生
取材記事:ぐらんざ