質の良い眠りは、健康のもと。
寝付きにくい、何度も目が覚める、朝早く起きてしまうなど、若いころにはなかった不眠の悩み。特に女性は60歳を過ぎると、眠れないと訴える人が多くなります。そこで知っておきたいのが年齢により変化する睡眠のパターン。年を取ると、まず深い眠りが減少。夜中に何度も目が覚める中途覚醒が増えています。また仕事を辞めると日中の活動量が減るため眠りが浅くなったり、昼寝をして夜眠れなくなったり。加齢に伴い色々な病気にかかりやすくなるので睡眠もとりにくくなります。
気になるのはこれらの睡眠障害と病気の関係。睡眠障害を引き起こす病気として、脚に不快感を覚えじっとしていられないむずむず脚症候群、夢で見たままを行動に移してしまうレム睡眠行動障害が挙げられます。反対に睡眠障害が招くものとして多いのが、生活習慣病。睡眠が足りないと食欲を抑えるホルモンが出にくくなり、肥満に繋がるのです。また認知症やうつ病へ発展する可能性も否定できません。ただ一晩くらいであれば寝なくても大丈夫。意外と多いのは、眠れないことへのストレスです。眠れないと思うと神経がたかぶるので、神経質にならないことが重要です。
睡眠を改善する方法として病院に行くことも必要。ただし、安易に薬を使う必要はないと思います。不規則な生活が不眠症に繋がるので、まずは日々のリズムを整えましょう。活動性の低下を防ぐために散歩などの軽い運動をするのもおすすめ。また、寝る前に携帯やPCの明るい画面を見ないこと、そして睡眠時間にこだわらないことも大切です。眠れないときは寝床から離れ、リラックスして眠くなるのを待ちましょう。九州にはお酒好きな人が多く、眠れないことをお酒で改善しようとしますが、これはアルコールによる意識障害であり良質な睡眠ではありません。眠れるか心配しすぎないこと、それが一番の肝かもしれません。
いまとうクリニック 院長 今任 信彦先生
取材記事:ぐらんざ