関節リウマチ?と思ったら、早期治療!
関節の腫れや痛みを起こす関節リウマチ。初期症状として手の痛みやこわばりがあったり、手の指が一カ月以上腫れたりするのですが、実際に多いのは膝関節のリウマチ。同じ関節がずっと痛む人もいれば、経過と共に足の指・手首・肘・肩・股関節などが痛むようになる人もいます。発症率は男性より女性が約2~3倍高く、40~50代がピーク。ただし、注意すべきは70代でも発症すること。高齢になると膝が悪くなる人が多く気づきにくいですが、腫れが続くからと調べたらリウマチだったというケースもあります。
一昔前までリウマチは歳月の経過と共に段々悪くなると言われていました。しかし進行が早い人は最初の2年間で悪くなることがわかっています。症状が進行すると軟骨や骨が溶けてしまい、一度破壊されて変形すると元に戻らないため、酷い場合は手術になります。そうならないためにも早期からの適切な治療が大切であるとして、診療ガイドラインでは治療開始から半年以内に薬を使って症状を抑える寛解を目標としています。
この10年で大きく医療が進み、効能のある薬や注射が出てきたため以前と比べ手術数も減っています。治療により寛解が一年以上続けば薬や注射を中止することも可能ですが、約半数の人が再発し治療を再開しなければなりません。半数の人は寛解が維持され、薬が必要とはなりません。
リウマチの引き金となる環境要因は、喫煙やウイルス感染、歯周炎が挙げられます。さらに最近では遺伝子が特定され、家族にリウマチの人がいれば発症する可能性が高くなることがわかっています。また、関節リウマチを患う高齢の人は、細菌感染の合併や薬の副作用による肺炎、骨粗鬆症、肝障害、悪性リンパ種を引き起こすことも少なくありません。そのため治療中に少しの変化でもあれば、かかりつけ医に相談しましょう。
石橋整形外科 院長 石橋 裕一先生
取材記事:ぐらんざ