感染の危険性も!? 放っておけない結膜炎

 結膜は、白目とまぶたの裏側をうっすら覆う半透明の膜のこと。眼球への異物侵入を防ぎ、涙の薄い層で目の表面を覆って潤いを与える働きもしています。結膜は常に外界にさらされているため、刺激を受けやすい場所。そして涙の水分や栄養が豊富なためウイルス感染を起こしやすく、細菌が繁殖しやすい場所でもあります。よく耳にする結膜炎は、この細菌やウイルスが炎症を起こす病気。免疫力の低い高齢者や乳幼児がなりやすい細菌感染、アデノウイルスに代表されるはやり目やプール熱などのウイルス感染。そして体内に入った異物を排除しようとする免疫機能が過剰に反応するアレルギー性があります。

 細菌性結膜炎は、粘りのある黄色い目ヤニで目の痛みもありますが、抗生物質の点眼により一週間前後で治癒します。ただ、高齢者や乳幼児は長引くこともあるため注意が必要です。2つ目のウイルス性結膜炎は充血が強く、目ヤニはサラサラ。感染力が強い場合は黒目の角膜に炎症を起こす角膜炎といった合併症になることもあります。治りかけに角膜に濁りが残り視力低下につながることがあるので、医師の指示通りに治療を続けることが大事。さらにインフルエンザ同様、感染力が強いため人にうつさないよう医師の許可が出るまで外出は控えましょう。3つ目のアレルギー性結膜炎は、かゆみが強く鼻汁や鼻づまりなどの鼻炎を併発することもしばしば。アレルゲンがわかる場合はできるだけ接触を避け、花粉症であれば症状が出る1ヵ月程前から目薬を病院で処方してもらい使い始めると効果的と言われています。また、コンタクトレンズの汚れによっても結膜炎を起こし得るので、清潔な状態で使うことが大切です。

最後に、結膜炎はありふれた軽い病気だと思われがちですが、感染力が強く流行することもあるので安易に考えず早めに病院へ行きましょう。


なかよし眼科クリニック 院長 仲吉 則雄先生


取材記事:ぐらんざ