定期検診で早期発見!気になる乳がんの話
近年、増加傾向にある乳がんの罹患率。その理由は、検査機器の精度や専門医の診断能力が上がり、早期乳がんが多く見つかるようになったこと。また、世間の乳がんに対する興味関心が高まっていることがあげられます。
乳がんはレベルや特性により、手術と放射線治療、薬物療法の3つを組み合わせて治療計画を立てます。手術に関していえば、昔は全摘出の乳房切除が主流でしたが、今は部分切除を行う方が多くなっています。それは、早期発見により多くはまだ腫瘍が小さい段階で手術できるからです。部分切除には一緒に放射線治療を行います。放射線に抵抗がある人もいますが、放射線性肺炎になることは極まれで、副作用もほとんどありません。それよりも残った乳腺からがんが発生しないように放射線をかけてあげる方が重要ではないでしょうか。乳房切除をした場合でも、今は保険適用で乳房再建ができるようになったので医師に相談してみると良いでしょう。
乳がんになる危険要因は、やはり煙草と肥満です。さらに日本では昔から、初経年齢が早い又は閉経年齢が遅い人、妊娠・出産経験がない人などは発症しやすいという見解もあります。といっても、統計学的にはまだ解明されていないため、当てはまらない人でも安心はできません。
しかし、乳がんは他のがんに比べてゆっくり増殖するものが多く、早期発見し、適切な治療を行えば早期乳がんは9割以上が治るといわれています。その早期発見のために、国が勧めているのが2年に1回のマンモグラフィ検査です。特に腫瘍ができやすいのは乳房外側の上部。普段から自分の乳房を触ってチェックしておくことも大切です。乳がん患者のピークは40~60代ですが、歳をとれば代謝が遅くなる分、進行もゆっくりで気づかないことがあるので、ピークを過ぎた人でも、乳がん検診はぜひ受けておきましょう。
医療法人社団広仁会 広瀬病院 院長 古賀 稔啓先生
取材記事:ぐらんざ