水虫治療は根気が大事!


 水虫とは、白癬菌(皮膚糸状菌)というカビの一
種が原因で起こる皮膚の病気です。白癬菌は皮膚の
表面の角質層にあるケラチンという物質を栄養源に
しているため、角質層に入り込んで繁殖し、特有の

症状を引き起こします。白癬菌による皮膚病の中で

、特に足の裏(足白癬)や爪(爪白癬)に感染して
起こるものを水虫と呼んでいるようです。
 
 
 
【症 状】
 水虫は、その症状によって、次のように分類されています。
・趾間型・・足の指の間が白くふやけた状態になり、ジクジクしたり、皮がむけ
 たりします。それほどかゆみは強くありませんが、一年中症状が出ていること
 が多いのが特徴です。
・小水疱型・・足の裏や足の指の間に赤いポツポツが現れ、そこに小さな水疱が
 できてきます。かゆみが強く、多くの場合、季節によって現れたり消えたりし
 ます。
・角質増殖型・・小水疱型の水虫が慢性化し、長年かかって角層が厚くなったも
 のです。多くはかゆみなどの症状はありません。

・爪白癬・・爪が白く濁ったり分厚くなったりしますが、痒みがないために放置

 される事が多く、感染源として問題になります。

 なお、水虫という俗称は、田んぼ仕事をする季節になると足に小さな水ぶくれ

(水疱)ができて痒いため、水の中で何らかの虫に刺されたのが原因と考えたた

めと言われています。

【感 染】
   白癬菌の感染は床などを介して起こりま
す。水虫の人が歩いた床などに白癬菌を含
んだ角質層がはがれ落ち、それを別の人が
踏むことで、その人の足に白癬菌が付着し
ます。しかし、これですぐに感染が起こる

わけではありません。白癬菌が新たに角質

層に入り込むまでには最も良い条件下(湿
度100%)でも一日ほどかかります。し
たがって毎日足を洗っていれば感染を防げ
る事になりますが、角質層に傷があると1
2時間程度で進入すると言われています。

【診断と治療】
 抗真菌薬のぬり薬による治療が主体となりますが、自称「水虫患者」の3分の
1は足白癬ではなく、湿疹・皮膚炎などの他の疾患であったという報告がありま
す。また、たとえ水虫であっても状況によっては水虫の薬を塗る事でかえって症
状を悪化させる場合があります。皮膚科専門医を受診し、顕微鏡検査による診断
および適切な治療を受けましょう。

【予防法】

 靴を履いている時間をなるべく短くし、足の乾

燥を心がける事や、一日1回は足を洗う事などが

基本的な予防法です。家族の中に水虫の人がいる

場合は、まめに部屋の掃除を行ったり、バスマッ

トの共用を避ける等の注意が必要です。せっかく

治療によって治っても、他に水虫の人がいれば、

再感染の可能性が高くなります。家族全員での治

療を心がけましょう。

 最近は、水虫に悩む女性が増えているという事
を耳にしますし、水虫は治らない病気だとあきら
めていらっしゃる方も多いようです。水虫は、ご
くありふれた病気であり、女性に珍しい病気でも
ありません。まずは正確な診断を受け、水虫と診
断されたら根気よく治療を行いましょう。
 
 


  ◆今回ご協力頂いた方◆

      清水 昭彦
      江頭 啓介
      田尻 祐司
      大野 真司
      上野 俊幸
    (敬称略・順不同)