令和3年12月1日 定例記者会見

 本会では、医師会活動や医療に関する最新情報を発信することで地域における公衆衛生の向上と市民に親しみやすい医師会を目指すことを目的に、2ヵ月に一度「定例記者会見」を開催しています。
 8回目となる今回は、令和3年12月1日(水)13時30分より福岡市医師会館にて実施し、報道機関13社が参加しました。


1.福岡市感染症概況等総論 <平田会長>

 平田会長から、新型コロナウイルス感染の第5波における感染状況の振り返りと予め報道機関より寄せられた質問に回答しました。
 第4波と比較検討した結果、第5波では感染者数が急拡大したにもかかわらず、重症者数・死亡者数ともに第4波を下回ることができたことには、高齢者を始めとしたワクチン接種の効果により重症化を予防出来たことが大きな要因であると説明しました。加えて、病床や宿泊療養施設の拡充が切れ目のない医療提供体制の確保につながったことも背景にあると述べました。
 さらに、新たに確認された変異株(オミクロン株)について触れ、コロナワクチンの抗体価低下による感染の再拡大に懸念を示し、3回目接種への積極的な協力を求めました。

2.新型コロナウイルス対策の現状等 <中山常任理事>

 感染症担当の中山常任理事からは、新型コロナワクチン接種における本会の取組みを説明し、前回の記者会見に引き続き薬局での医療用抗原検査キットの取り扱いについて注意喚起を行いました。無症状者への使用は推奨されていないことや、陰性の場合でも偽陰性の可能性があるため、感染予防対策を継続することの必要性を説きました。
 また、第6波への取組みとして、自宅療養者への往診や外来受診による診療について会員医療機関にアンケートを実施し、体制整備について福岡市と協議を進めていることを報告しました。
 最後にコロナワクチン3回目接種の必要性を訴え、積極的な接種を呼びかけました。

3.「オンライン資格確認」導入状況調査結果 <案浦専務理事>

 案浦専務理事からは、10月20日より本格運用が開始された「オンライン資格確認」について、11月に行った会員医療機関を対象とした導入状況の調査結果について報告を行いました。調査の回答率は61%で、そのうちシステム運用中6%、整備中は27%でした。
 今回の調査により、現状では医療現場は不便さを感じておらず、マイナンバーカードの普及率の低さや導入後のコスト面等を理由として運用導入に至 っていない状況を報告しました。

4.質疑応答

 平川常任理事より、直近の感染状況および医療体制について、新規感染者数および病床使用率ともに低い水準で推移している状況を報告し、所属の医療機関では、第6波に備え教育訓練や体制整備の見直しを行っている旨を報告しました。また、後遺症患者については、身体機能の低下と併せて抑うつ状態や精神症状など様々な症状が見受けられるため、精神科を含めた支援対応が必要であることを述べました。

 平田会長からは、冒頭の説明に加え現在新規感染者数は少ないものの、新たに確認された変異株(オミクロン株)により、福岡県内での感染再拡大の可能性を懸念し、再拡大時に備え自宅療養支援体制の充実と一般診療体制の支援継続、コロナワクチン3回目接種推進へ尽力していく意気込みを述べ、コロナワクチン3回目接種時期の前倒しについて福岡市との協議の必要性を示唆しました。


関連資料

福岡市感染症概況等総論 (PDF)
新型コロナウイルス対策の現状等 (PDF)
「オンライン資格確認」導入状況調査結果 (PDF)
質疑応答 (PDF)


問い合わせ先

福岡市医師会情報企画課
 TEL 092-852-1505
 FAX 092-852-1510
 E-mail j-kikaku@city.fukuoka.med.or.jp