令和3年10月6日 定例記者会見
本会では、医師会活動や医療に関する最新情報を発信することで地域における公衆衛生の向上と市民に親しみやすい医師会を目指すことを目的に、2ヵ月に一度「定例記者会見」を開催しています。
7回目となる今回は、令和3年10月6日(水)13時30分より福岡市医師会館にて実施し、報道機関14社が参加しました。
1.福岡市感染症概況等 <平田会長>
平田会長から、福岡市における新型コロナウイルス感染の第5波の状況について、10代以下の感染者が増加し、特に保育園や幼稚園での感染や家庭内感染が多く占めたことを説明しました。
次に、ブレイクスルー感染の発生は一定数あるものの、2回接種後の感染者は未接種の方より軽症の傾向がみられるといったワクチンの接種効果について説明し、子育て世代や若年世代へ接種を呼びかけました。
また、特定健診および各種がん検診について、令和元年度と比較して受診者数が減少傾向にあることを憂慮し、各種疾病の早期発見・早期治療のための健(検)診受診の重要性を説きました。
さらに、インフルエンザ流行期を前に、新型コロナウイルス感染症と症状の区別が困難なことから、自己判断をせず、かかりつけ医等に相談し適切な検査や受診をするよう勧め、インフルエンザワクチン等の積極的な接種への協力を呼びかけました。第6波への備えとして、治療薬の開発と普及に期待を示し、コロナウイルスとの共存社会を視野に入れながら、引き続き基本的な感染対策の継続をお願いしました。
2.新型コロナワクチン接種、自宅療養支援体制状況、小児への対応等 <中山常任理事>
感染症担当の中山常任理事からは、新型コロナワクチン接種における本会の取組みを説明し、中でも小児へのワクチン接種については、保護者や本人への丁寧な説明や接種後の細やかな対応が必要なことから、個別接種の体制を整備していることを報告しました。
続けて、第5波で急増した自宅療養者を支援するための体制等について報告しました。また、特例として薬局での販売が認められた抗原検査キットの取扱いに関して注意を促し、自覚症状がある場合はまず医療機関へ相談するよう呼びかけました。
3.妊婦への新型コロナ感染対策 <佐野常任理事>
佐野常任理事からは、福岡市内における妊婦の新型コロナウイルス感染状況について報告を行いました。
自宅療養や宿泊療養時に急変した場合は、妊娠週数と重症度等により常時、受入医療機関を調整可能な体制が確保されていることを説明し、併せて、福岡市が行う妊婦への優先接種についての紹介と妊婦およびその家族への接種を呼びかけました。
4.質疑応答
平川常任理事より、直近の感染状況および医療体制の状況について、現在新規感染者数が少ない状況であり病床使用率は減少傾向にあるものの、依然として人工心肺装置を必要とする方がいることを報告しました。所属の医療機関における抗体カクテル療法の高い効果実績を述べ、ワクチン接種や抗体カクテル療法等により重症化予防は進みながらも、完全に防げるものではないため、感染しないことが重要で、更なる感染対策の徹底と適切な医療機関受診への周知協力を報道機関にお願いしました。
平田会長は、更なるワクチン接種率の向上が大切で、感染の波と波の間の新規感染者数を0に限りなく近い数字にすることがウイルスの変異を防ぐことにも繋がり、経口治療薬が期待される年末頃まで抑え込むためにも基本的な感染対策が重要と述べました。
また、第6波までの課題として、自宅療養者への支援体制をより充実していきたいとの意気込みを示しました。
関連資料
・福岡市感染症概況等 (PDF)
・新型コロナワクチン接種、自宅療養支援体制状況、小児への対応等 (PDF)
・妊婦への新型コロナ感染対策 (PDF)
・質疑応答 (PDF)
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