「福岡市医師会」は、九州と本州更にアジア諸国を結ぶ陸・海・空路の要所に位置し、古くから文明のクロスロードとして発展した商業都市福岡市の開業医・勤務医約2500名によって組織されている。 その源流をさかのぼれば、明治13年(1880)の「福陵医会」に始まり、明治23年(1890)の「玄洋医会」にたどり着く。

 明治40年(1907)に「福岡市医師会」として正式に発足してからは、太平洋戦争中の一時期を除いて、いつの時代にも常に九州の郡市医師会のリーダー的存在として独立不羈の立場を貫き、平成19年には100年目を迎えたが、敗戦後の昭和22年(1947)11月1日に「社団法人福岡市医師会」として新生の声を上げてから今日まで、学術の振興、保健・医療・福祉の向上に努め、各種の事業を展開している。
現在「福岡市医師会」は、臨床検査センター(昭和35年〈1960〉開設)・看護専門学校(昭和27年〈1952〉開設)・訪問看護ステーション(平成6年〈1994〉開設)等の現業部門を有し、また行政とのタイアップにより、急患診療センター・いきいきセンターふくおか(地域包括支援センター)・健康づくりサポートセンターを運営するなど、市民の健康を支える各種の事業を行っている。

 かつて、福岡市医師会館は中央区薬院に位置していたが、平成4年4月、約30年の風霜に耐えて老朽化の限界に達した会館を現在地の早良区百道浜に移した。玄界灘を望む景勝の地にインテリジェント・ビルが林立する光景は、まさに、海に開かれ進取の気風を養ってきた福岡の未来を象徴していることを実感させる。
 「福岡市医師会」は、一世紀に亘って培った知識と経験と豊富な人材を生かし、市民の健康を守り、医学の発展・向上に努力し続けている。